「大丈夫ですか?」。実は声のかけ方が相手の返事をコントロールしている?
ちょっと前にACのこんなCMがあったのを覚えていますでしょうか。
「遊ぼう」っていうと「遊ぼう」っていう。
「馬鹿」っていうと「馬鹿」っていう。
金子みすゞの詩。
私たちは
ちょっとつまずいた人を見たとき。
ちょっとしんどうそうな人を見たとき。
「大丈夫ですか?」
と、声かをかけてしまいます。
相手からは
「大丈夫です」
と大体返事が帰ってきます。
「いや駄目っす。もう無理です」と答えた人を私は知りません。
そういう方に出会ったことがあるかた、すごいです。
子どもに「楽しかった?」と聞くと「楽しい!」と答えます。
「嬉しかった?」と聞くと、「嬉しかった!」と答えます。
この聞き方をすると、そのとおりの返事をしてしまう傾向があります。
訊く側は、相手に対して無意識に、欲しい返事を求めやすい質問をしているのかもしれません。
これを上手に使って、相手がいいにくい返事を言語化する事もできます。
逆に、子どもに多用すると、「嬉しい」とか「楽しい」とか「悲しい」とか、そういった単純な表現しかできなくなるのではないかと心配してしまいました。
気持ちを言葉にすることは、とてもむずかしいことだと思います。
今、感じている、この温度感、このスピード感を言葉にする。
割り切れないものを割り切れないまま伝える。
本当に難しいと思います。
こういった言い表しようのない気持ちを「楽しかった」「悲しかった」というような単調な表現に落とし込むのはもったいないな、、と思いました。
子どもだけでなく、自分に対してもですが、割り切れなかったりする気持ちを無理に言葉にするのではなく、とりとめのなく伝えることも大切にしたいものです。
オチなしの話で、いいのではないでしょうか。